企業で働く看護師について【産業看護師になるためには】

これをお読みになっている看護学生さんや新人看護師さんは将来はどのような施設で働きたいとお考えでしょうか?また現在どのようなところで働いているのでしょうか?一般的には病院や診療所、クリニック、老人施設などでしょうか?

病院だけではなく企業でも看護師は働く

びっくりされるかもしれませんが、いわゆる会社というところでも看護師は働いているのです。もちろん社員として扱われますが、看護業務の仕事をしているのです。そんなことから産業看護師とも呼ばれています。

産業看護師の仕事内容とは何か

仕事としてはその企業で働く従業員を対象とした看護業務です。わかりやすく言うと学校の保健室の先生をイメージできればわかりやすいと思います。産業看護師が生まれた背景には日本の法律で企業で働く従業員は健康や安全が守られるように環境を整えなければいけないという定めがあるため産業看護師が誕生した背景と言われています。予防医学の観点から看護業務の他に健康相談や指導も行っています。

しかし、産業看護師という資格があるわけではなく、病院で働く看護師と異なるものなのか?ということになるとそうではないと思います。健康管理、予防医学の観点といってもその内容は多技に渡ります。現在社会問題にまで発展している生活習慣病、例えばメタボリックシンドロームの予防だけではなく労働に関する改善、ストレス、疲労、傷病に対する相談や助言、ケアなどといった様々な健康管理をまかされていています。

定期検診もその重要な仕事の一つです。その結果についても相談に乗ったり指導、助言を行います。例えば「不規則な仕事なので外食が多く塩分や脂肪の摂取が過剰になっているかもしれないから心配だ」「血圧の薬を内服しているが時々仕事中にふらつくことがある」「最近落ち込んでいることが多く会社に来るのが億劫になる」「骨折は完治したが今の部署では体の負担が大きくとてもつらい」など。

「点滴やレントゲン検査、手術などといった医療行為がないから楽な仕事だろう」と思っている方は大間違いですよ。

はたして産業看護師は楽な仕事でしょうか?

個人的には楽な仕事だとは思いません。なぜなら相談業務にしても幅広い知識がなければ指導もできませんし、助言もできないからですよ。さきほどは学校の保健室の先生をイメージしてくださいと言いましたがのんびりとした状態ではなくとても大きくかけ離れた非常にハードで責任重大な仕事をしているのです。

現代社会の問題点から

ほんの小さな出来事でもストレスを抱え込んでしまう現代社会なので産業看護師の存在がなければもしかして企業で働く方々のストレスは増えていく一方でそれが引き金となり病気になってしまう可能性があります。企業で働く方々がストレスなくさらに健康も害することもなく安全に働くことができるような環境作り、これが産業看護師としての任務であり役割であると言えるでしょう。そして非常にやりがいがあり大きな仕事であるというのはもう言うまでもないと思います。看護師としての看護知識や看護技術フルに発揮して活躍ができる職場であると言えると思います。

産業看護師としての求人は?

この記事を読んでいただきその中には将来「企業で看護師として働きたい」と思っている方もいらっしゃることでしょう。やりがいがあり高待遇の企業もあるかもしれません。現実はやはり産業看護師として働きたいという方は少なくありません。その割に求人は一般的に出回っていないのが現実です。なぜなら企業人として働いているので退職をする看護師が少ないこと、そこから求人が少ないこと、また保健師が担っている場合も多く企業看護師の求人が少ないなどがあげられます。

情熱とヤル気があれば産業看護師としての道は開けていると思うので大いに頑張って欲しいと思います。