病棟での患者さんの急変の対応【急変時、看護師はどうすればいいのか?】

外来や病棟で患者さんと長く関わっているのが看護師です。患者さんにとってもよく接するのが我々看護師だと思います。

時としてびっくりするようなことや焦ってしまう場面とかに遭遇してしまいますね。その一つとして患者さんの急変です。


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患者さんの急変とは

様々だと思います。検温でお熱を計ったら高熱だった。これも急変です。

普通に歩いたり一人で食事を食べれる患者さんなのにベッドサイドで血圧を測定したら収縮血圧が60くらいしかなかった、夜勤で見回りに行ったらベッドから転落していた、朝検温に行ったら息をしていなかった。などなどたくさんありますね。

急変の時看護師はどのように対応するか

私も経験があるのですが、見回りや検温で患者さんのところに行ったら呼吸をしていない、意識がない、心臓の鼓動が止まっていたということに出くわした経験があります。

普通にADL(日常生活動作)が自立していて受け答えもしっかりできていた方なのに声をかけても目をさますどころか顔色が悪く呼吸をしていなかったのです。

本当に一瞬ですが頭の中はまっ白になってしまい次の瞬間ナースコールで応援やドクターコールなどをしてもらい心臓マッサージを開始しました。

応援のチームが即座に心電図モニターを装着、血圧測定、点滴採血を始めました。

医師も次々と指示を出し診察をして画像検査も入りました。原因の特定探しをしながら、救命処置に入りますがここまでの時間がわずか3分と経過していません。急変時の救命処置はスピードが命です。

心臓が停止しているので胸骨圧迫の心臓マッサージ、アンビューマスクを使っての人工呼吸、酸素の投与も行います。そして点滴から血圧を上昇させるためや心臓を動かすための強心剤や昇圧剤も投与して気道の確保のために気管にチューウブを入れる気管内挿管が行われます。

医師が行いますが、喉頭鏡というものを口の中に入れて喉頭展開すると声門が見えます、そこをめがけて迅速に正確に丁寧に気管内チュウブを滑り込ませます。

気管内挿管が終了したらチューウブの固定そしてレントゲン写真を撮影して気管内チューウブの位置を確認したり胸の音を聴音し換気が確実に行われているか食道に気管内チューブが誤挿入されていないか確認は怠りません。

自発呼吸がなければ体の中の酸素化をしないと助かったとしても予後は悪くなってしまいます。

人間の脳は3分間酸素が途絶えると脳死になる

人間の脳細胞はわずか三分間、酸素が途絶えると死滅してしまい、脳死の状態になり寝たきりになったりチューブや管をたくさん繋がれたまま生きていく運命をたどってしまうことになります。人工呼吸器を装着して患者さんの体の酸素化ができるまで高濃度の酸素をどんどん送ります。

3分はあっという間です。病院外の街中でも事故と遭遇した時も、適切な対応ができるようにしておきたいですね。

※こちらの記事も参考にしてくださいね。
参考:必須です!救命処置【目の前に人が倒れていたらどうすればいいのか】

ご家族への対応

あと大切なのは家族対応です。予期せぬ容態の変化に受け入れることはできません。

電話連絡の時も言葉を選び事故を起こさぬように病院に来て頂けなければなりません。

深夜や早朝は特に注意が必要です。家族が到着したらまず医師からの説明を聞いていただきそれが終わったら面会という形になりますがその逆もあります。

看護師はそんな家族への配慮、すなわち家族対応も重要な任務です。動揺し、悲しみや不安、憤りでいっぱいです。

そんな家族対応の看護も会得する必要があります。これはある意味では救命処置を学ぶ事よりも大切なことになります。なぜならこの仕事は看護師しかできないのですから。

ここまで救命処置から家族対応まで説明をさせていただきました。

救命処置や家族対応するときは自分の家族だと思って接しなければいけないよ。でもその時だけではなく普段からそんな風にしていかなければいけないのが看護師の仕事だし看護師しかできない。看護の看は看るということで患者さんだけでなく家族も看ること。看護の護は守るということだからね。

と看護師の資格を取得した時に先輩看護師から言われたことが頭から離れずにいます。これから看護師を目指す方や新人看護師さんにこの言葉が少しでも届いたらなと思っています。

関連記事:看護師はご遺族に臨終、危篤を伝えることはあるのか?その伝え方について

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私はER看護師でDMAT隊員です。責任のある大変な仕事ではありますが、充実した日々を送っております。もうベテランというほど看護の歴は長いです。何か役に立つことはないかとこのブログを始めました。看護についてわからないことがあれば、ここの記事にコメントかもしくはtwitterのアカウント@tomcatf143までご連絡ください。返信は遅いですが、わかる範囲ですが、お答えいたします。


「救急・急変看護ポケット事典」もとても参考になるので一度ご覧になってみてください。