マラソン大会の看護師の救護体験【ボランティア体験】

今回は約17000人が参加したフルマラソンの大会に救護員として参加した体験をお話しさせて頂きます。

マラソン大会の救護に参加した理由

大きなイベントが行われたとき、必ずと言っていいほどけが人や具合の悪い方がでてしまいます。そして、そこには医師や看護師などの医療従事者も万一の事態に備えてすぐにでも医療処置が出来るように待機します。

このマラソン大会の救護員の話が来たのは、大会が行われる半年も前のことです。そこからマラソン大会の救護員の準備が始まりそれは大会当日まで進んでいきます。給料やお金などの発生はありません。ボランティア活動です。

だから現地までの交通費、現地から遠い場合は近くに宿泊しますがもちろんそのお金も自腹です。

「なぜそこまでしてやるの?家で休みの日はゴロゴロしながらテレビでも見ていた方がいいじゃない。」という声が聞こえそうです。

実際私もそう思いますが、看護師としての資格を有しているならば少しでも誰かのために役に立てることがしたいという熱い気持ちで参加しました。他のスタッフもそんな思いで参加したと思います。

マラソン大会の救護活動の打ち合わせ

打ち合わせはメーリングリストの作成から始まり、連絡体制は密に行われます。

参加するスタッフはメールのやりとりなどで情報を共有し、話をどんどん進めていきます。

打ち合わせの場所や日程、行政からの説明、警察からの道路規制の説明など、マラソン大会には本当にたくさんの方々の支えがあり成り立っていると肌で感じました。しかし勤務をこなしながらのボランティアの参加なので忙しく打ち合わせに参加できないこともありましたがそれはあとから内容を記したメールで内容を確認したりしました。

大会当日のマニュアルもでき、その膨大な量には驚きました。最初から最後まで読むと3時間くらいはかかってしまいます。

しかし重大なこともかなり多く記載されているので読まないわけにはいきませんでした。半年の準備期間もあっという間に終わってしまい当日を迎えることになり緊張をしたのをよく覚えています。私の家からは当日の朝の集合時間には間に合わないので最終電車に乗り近郊の漫画喫茶に宿泊し早朝そこを出発して現地に向かいました。

マラソン大会当日の看護活動

持ち物は着替え、飲み物、聴診器、軽食、雨具、筆記用具、ポケットマスク(心肺停止したかたに人工呼吸をする道具)などを持ち時間の通りに集合しましたが、そこにはすでに大勢のスタッフが集合しており現地スタッフは前日から会場の設置をしていたそうです。医療スタッフのミーティングが始まり1時間ほどで終わり、資器材を渡され中身を確認したあと救護員という上半身だけですがジャケットをわたされ、着用します。

これを着用せずコース上の立ち入り禁止区域に入ってしまうと、警備員に注意されてしまいます。

いよいよマラソン大会のスタートですが、救護員はスタートが開始されるまで受け持ち区域に到達しなければなりません。自転車や車あるいは徒歩での移動ですが資器材も携行するので重く大変です。

救護をしていて一番多かったのは足がつってしまったランナーが多かったですね。

まずは安静にして水分を飲ませて応急処置のストレッチやマッサージを施します。効をそうして「良くなったありがとう!」と言いつつマラソンに復帰していく姿を見ると嬉しくなりました。中には、もうこれ以上走らせたら症状を悪化させてしまうと判断される人もいます。そういう人はマラソンをストップさせたりします。

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万一の時はドクターカー(高度な医療処置が施せる設備と字のごとく、ドクターや看護師が同乗して治療をしながら病院に搬送する救急車。消防の救急車とはちょっと違います。)が待機して、緊急搬送の準備は出来てしまいます。

このマラソン救護も病院の中で働くのとは全然違い貴重な経験が出来ました。この経験を自分の看護に取り入れていきたいと思います。