認知症高齢者患者との接し方・看護ケアについて

急速な高齢化社会を日本は迎えています。老人施設もあちらこちらで新規開設されそれらに備えています。

私も派遣看護師としてたくさんの老人施設に勤務させていただきました。(参考:老人ホームでの救急搬送体験【老人ホームの派遣看護師】

その時の経験を踏まえてお話をさせていただきたいと思います。

認知症とは?

脳の病気です。もちろん発症してしまえば日常生活に即支障が出てしまいます。

脳の一部に障害が発生してしまい物忘れなどの記憶障害時間や場所がわからなくなってしまう障害、判断することや実行することの障害などの中核症状。記憶障害は必ずと言っていいほど現れてしまいます。

精神症状も出現してしまいます。暴言暴力、徘徊、不眠、失禁、妄想、幻覚、不安感、無気力、などです。

これらは周囲関わり方で悩んだり感情的なもつれが誘引されてしまうと言われています。これらの弊害をなくして認知症の方々が安心してリラックスできるような接し方や看護が必要と言えます。

認知症の方々との接しかたについて

昔、認知症という言葉が出てくる前はボケという差別的用語だったため認知症という言葉に変わってきました。いろいろな症状があります。少し前のことをすぐ忘れてしまう方、徘徊を繰り返している方、いつも寝ている方、テレビばかり見ている方、寝たきりの方。様々ですよね。

ではそんな方々に対してどのように接していけばよいでしょうか?

施設に入所される方々は皆高齢者ばかりです。認知を患っている方ばかりです。

まずお名前できちんと呼びかけることが大切です。

職員やスタッフでも時々「おじいちゃん、おばあちゃん」という呼び方をしている方がいます。

家族ならそのように呼びかけても全く問題はないと思います。でも誰でもお名前はあると思いますのできちんとお名前で呼ぶのが礼儀でしょう。私たちが逆にそのように呼ばれたらいかがでしょうか?やはり名前で呼んでほしいです。

また常に高齢者の方々に対して尊厳を持って接することが大変重要です。

行動や発言に対しては常にこちら側は肯定して受容します。認知症の方は自分自身が受け入れられていないとさらに強く自己主張してしまうことがあります。

そうなってしまと逆効果になってしまいます。認知症の方々が何を希望して何を望んでいるのかをしっかりと理解をすることも大切です。認知症の病態生理や症状などをよく学習し個々に応じた症状に対してアセスメントし接しましょう。

認知症看護

認知症看護は根気と理解と優しさが必要です。一般の成人の方々の看護とは大きく異なってきます。危ないことがないように見守っていればいいんでしょう。という方を多く見受けられます。確かにそれも1つに入ります。

しかしそれだけをやっていれば認知症看護と言えるのでしょうか?認知機能は低下しても感情面ではとても敏感になってきます。認知症の方が話しかけてこなくても看護師側が積極的に接していかなければ良い看護はできません。

そしてとても認知症の方は強い不安感や緊張、恐怖を感じています。それはどうしたら良いかわからないからです。看護側が積極的に働きかけあたたかい言葉と笑顔だけでも安心感は大きくなっていきます。

それだけでも認知症の悪化を防ぐことにもつながっていきます。側にいて話を聞いたり手をとって安心感を与えてあげましょう。

先ほど自尊心ということをお伝えいたしました。自尊心は誰にでもあります。大声で自尊心を傷つけるような叱り方をしたり突き放した態度をとったりすると屈辱的な気持ちは残ってしまいます。長年においてその方が築き上げてきた生き方、人生、自信と誇り自尊心はいつまでも失われずに残っていると言われています。自尊心を尊重した接し方や看護が重要と考えます。

人生の大先輩ですからね。

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